ノロウイルスと貝その5

ホタテは貝柱を取り出すため、事前に調理され、他の部分は取り除かれています。
そして、貝柱だけをお寿司やお刺身で、私たちは美味しく頂いているので、そこには当然、汚染されているホタテの内臓は入っていません。

ですから、ホタテの生が原因でノロウイルスに感染することはないのです。
ですが、ホタテで食中毒が絶対に起こらないというわけではありません。

例えば、調理の際、ホタテの内臓などを取り除いた後、十分な水洗いがされていない場合、ウイルスが貝柱に付着しているケースもあるでしょう。
また、調理する人がカキなどの汚染された食材を触った手で、ホタテを扱った場合や、調理器具が汚染されていた場合は、ホタテの貝柱でも感染する可能性があります。

ですが、これらは不注意によっての感染ですから、本来、ホタテの貝柱は安心して生で食べられる部分なのです。

そして、二枚貝で一般的なアサリ、ハマグリ、シジミなどは、生で食べる機会があまりないですよね。
ハマグリは焼きますし、アサリ、シジミは、お味噌汁などに入れますので、生食での機会はほとんどありません。

ですから、これらの二枚貝からノロウイルスに感染したという話はあまり聞かないわけです。
このようなことから、ノロウイルスの食中毒と言えば、カキが有名ということになっています。
ご説明したように、カキのほかにも、汚染されている可能性がある貝類はたくさんあるのでしょうが、カキが内臓ごと生で食べられる機会が多いため、汚染の原因と言われているのです。